HoloLensについて考えたこと
はじめに
【イベントレポート】【速報】Microsoft、HoloLensの技術「Windows Holographic」をパートナーに公開 - PC Watch
にある通り、Microsoft以外のメーカーでもHoloLensのようなデバイスが作れるようになるようです。
これによりバッテリーをたくさん積んだモノや、デザインにこだわったモノ、性能に力を入れるモノなど、沢山の種類が様々な価格帯で発売されることが予想されます。
MSは本気でこの商品をPC→スマホ(タブレット)の次となる、一般に普及するデバイスにしようと企んでいるようですね。
HoloLensで駆逐される?デバイス
さて、実際に商品が出る前に、今のHoloLensで何が出来るのか考えてみます。
- PCとして
OSがWindows10なので、PCで出来ることは全て出来るということになります。
ただし動作するのはUWPのみのようです(ソースください)。UWPアプリが普及するにつれ、問題なくなるでしょう。
もちろんiOSのアプリが動くわけではありませんが、ブラウザは搭載されていますし、UWPアプリもあるので、これもアプリが増えるにつれ問題は無くなるでしょう。
HoloLensではタッチ操作のかわりにジェスチャー操作が使えるようです。
- スマホとして
外でHoloLensを使う度胸があればという条件付きですが、タブレットの代わりになるように、スマホの代わりにもなるはずです。
ただ現在のホロレンズにはWANが付いていない(おそらく)ので、それは後々追加されていくと思います。
Windows10Mobileに対してはイマイチやる気のない(ただし撤退はしない)MSですが、最終的にHoloLens型デバイスに集約されるのであればそこまで力を入れたくない、と思っているのかもしれません。
- 携帯ゲーム機として
任天堂3DSや、PlaystationVitaです。
もちろんゲームソフト(アプリ)が出なければ意味はありませんが、PCゲームはこれからUWPアプリとして出てくると予想されるので、これも問題ないでしょう。
コントローラは別に必要ですね。
- テレビとして
ホロレンズは好きな場所にウィンドウを表示出来るので、その画面にHuluなりNetflixなりAmazonビデオなり映せばいいのです。
レコーダーがあればDLNA(DTCP-IP)でリアルタイム視聴も出来ますね。
XboxOneのストリーミングプレイを使えば、ゲーム画面を出すこともできます。PS4も技術的には出来るはずです。
- 読書デバイス
Kindleなど。
長々と書きましたが、上の全てに共通しているのは"ディスプレイを持った情報端末"です。PCはある意味万能のデバイスなので、理論上ディスプレイを持ったデバイスは全て置き換えることが出来る、というわけです。
(元々PCだけだったものが、様々な用途に適合するためにディスプレイサイズごとに分化し、それがまた時代が進んで一つに集約される。そんなイメージです。)
携帯ゲーム機の場合、同じゲームが出来るスマホやタブレットがあるのに、駆逐されていないじゃないかという意見はあると思います。
今そうしているように、その携帯ゲーム機でしか出来ない独占ソフトや入力インターフェースがあれば、今後も生き残るかもしれません。
(ゲームしか出来ないHoloLens型端末は出ないでしょう、という話)
さて、次にHoloLensで新しく出来るようになることですが
- VR|ARゲーム
今流行りのVRゲームです。
単体で動作するデバイスのため性能面では劣りますが、過去にMicrosoftResearchで研究していたFoveated Renderingが実用化すれば、それも大丈夫そうです。
視野角や周囲の明るさの問題も、そのうちどうにかなるでしょう。
モーションコントローラは別に考えないといけませんが。
- ホロポーテーション
テレビ会議の立体版ですね。
HoloLens応用の「ホロポーテーション」、Microsoftがデモ - ITmedia ニュース
・その他たくさん
3Dモデルのプレビュー、部屋のデジタル模様替え、デジタルフィギュア、ショッピングサイトで3Dモデルをプレビュー、家具の配置シミュレーション、空間ナビゲーションGoogleが世界中の屋内空間を3D化した巨大地図の構築を計画中、あらゆる空間への広告を狙っている - GIGAZINEなどなど
HoloLensのためにMSがやってきた(いる)こと
- Kinectの開発
HoloLensにはKinectの技術が転用されてるようです
【西田宗千佳のRandomTracking】現実とCGをブレンドする「HoloLens」。MS新HMDの正体 - AV Watch
- UWPアプリの充実
どの項目でも、UWPアプリが揃っていることが条件です。
そして、UWPアプリはWindows10でしか動かないし、作れません(基本的に)。セキュリティ的な問題が当然大きいとは思いますが、10に移行させるため強硬な姿勢をとっているのはHoloLens普及の準備段階として必要なことだからかもしれません。
- Skype、マインクラフトなどの買収
japan.zdnet.com
www.youtube.com
HoloLensはMSが苦戦しているタブレットやスマホなどの業界地図を一気に塗り替えられる可能性を秘めているデバイスなので、本気でやってるんじゃないかなーと思います。
最後に
効率的な入力方法(インターフェース)、バッテリー、性能|熱、視野角など、解決すべき問題は山積みですが、今現在でも日常的に使用している人もいるようですので、あと1,2年もすればかなり良くなるでしょう。
近い将来、上に挙げたデバイスは全てHoloLens型PCに集約されるのではないかと予想しています(そうなればいいなと思っています)が、これに対しGoogle、Apple、Amazon、ソニー、任天堂などがどう対抗してくるのか、楽しみなところです。(置き換え可能なデバイスが多いため、必然ライバルも多くなりますね)
このタイプのデバイスは、"頭にずっと装着している"ことが前提のため、同時に使えるのは当然一つになりますし、頻繁に取り外しするようなものでもないはずです。それゆえどのデバイス(プラットフォーム)が頭を占有するのか、競争も激しくなりそうです。